今や「僧職系男子」の時代です

今、若い女性は「草食男子」より「僧職男子」!?


09年の流行語大賞トップ10にも入った「草食男子」はすっかり定着したが、今注目されている“そうしょく”は「僧職男子」。
若手の僧侶と語り合うイベントには大勢の若い女性が集まり、イケメン僧侶を紹介する書籍「美坊主図鑑」も大ヒットしている。
お坊さんが人気の理由とは――。

 4月下旬の金曜日の午後7時すぎ。東京・銀座の雑居ビルの一室に20~30代を中心とした女性ら約20人が集まり、 4人の僧侶がお経を読み始めた。
20平方メートルの部屋はお香が漂い、日常とはかけ離れた雰囲気に包まれるが、お経は10分ほどで終了。 車座になって僧侶の1人が缶ビールをグビグビ飲み始めると、参加者から「缶ビールを持ってるお坊さん、初めて見た」 と笑い声が起きるなど気さくな雰囲気に一変した。

 ギャラリー「銀座モダンアート」で開かれた「僧職男子に癒されナイト」。お酒や軽食をつまみながら僧侶と語り合うイベントで、 この日出席した僧侶は全員30代。女子大生のグループからは「ぶっちゃけ、お坊さんて浮気願望はあるんですか」などの 質問が飛びだし「今度合コンしたい」とアプローチする参加者もいた。

 一方「嫉妬心が強くて彼氏がほかの子と仲良くしているだけでダメで…」と恋の相談をする人も。 正法寺(世田谷区)の倉上学法さん(36)が「恋人でも自分とは違う人間だから思い通りにならなくて苦しいんですよね。 違うからこそ近づこうとすることが大事」と語りかけると、真剣な表情で聞き入った。

 イベントは「銀座モダンアート」の代表鳥居友佳里さん(29)が企画。東日本大震災後、不安な気持ちを抱えている人が多いと感じ、 知り合いの中樹山浄照寺(山梨県大月市)の平井裕善さん(37)に相談。 昨年4月から月1、2回開催している。参加費は3000円程度で、多いときには30人が集まり、 今月25日開催分もすでに申し込みが集まっている。

 初めて参加した都内の大学3年赤峯明美さん(20)は「自分と同じ目線で話してくれ、お坊さんのイメージが変わった」と笑顔。 「言葉遣いがきれいで周りの男子とは全然違う。修行をしているのでストイックなところもいい」と魅力を説明した。

 さいたま市の会社員女性(25)は2回目の参加で「何を話しても受け止めてくれて、友達には話せないことも話せる。 無条件に心を許せてしまい、何を言われても素直に聞ける」と話した。

 「僧職男子」人気の理由について、鳥居さんは「お坊さんは仏教の教えから的確なアドバイスをして答えの道筋を見つけてくれるので、 頼りになる存在として見直されている」と解説。「若手のお坊さんは敷居が高いお寺のイメージを変えて、 若い人に気軽に頼ってほしいと思っている人が多いので、イベントにも積極的に協力してくれる。 お坊さんと話すと安心感を得られることが分かり、何度も参加するリピーターも多い」と話した。

今、若い女性は「草食男子」より「僧職男子」!? スポニチ(2012.5.7) より転載。

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