戒名は自分好みで 料金不透明、戒名料、本来はお布施

戒名 文字は自分好みで


読売新聞(2012.5.1) 戒名 文字は自分好みで(※リンク切れ) を参照。ところにより、抜粋しております。




戒名とは

「仏門に帰依した証しとして与えられる名前。法名、法号ともいう。
本来は生前に与えられていたが、室町時代後期から、葬儀の際に与えることが広がったとされる。

宗派ににもよるが、6~10字程度が多い。
狭義の戒名は、その中の2文字を指し、うち1文字を本名から取る傾向がある。」


以上、「読売新聞(2012.5.1) 戒名 文字は自分好みで」より引用。

※補足 法名は、浄土真宗。法号は、日蓮宗(日蓮正宗は除く)での戒名の呼び名です。



最近の戒名事情


「仏教の戒名を付けてもらうことについて、考え方が変わりつつある。
日本では葬儀の際に授かる名前として広く浸透しているが、生前に付けたり、使いたい文字を伝えたりする人が増えているという。
一方、「戒名は要らず、俗名のままでいい」という人もいるようだ。」



※戒名の本来の意味からすれば、とくに仏教徒でなければ、当然の成り行きでしょう。
仏教情報センターの事務局長の互井観章さんによれば、 「「生前戒名」の増加を実感している」そうです。


「都市部で増加する永代供養墓への申し込みが、戒名を付ける契機の1つになっているようです。自分の戒名を知っておきたいというニーズも あるのでは」


※永代供養墓とは、お墓を管理したり、お墓参りをしてくれる人がいなくても、 代わりにお寺が責任持って、供養と管理をする形式のお墓です。
永代といっても、何十年か経ったら遺骨を他の墓所に移すところが多いようです。
通常のお墓は、家のお墓ですが、永代供養墓は、誰でも一緒に納骨する、いわば集合住宅、お墓のマンションのようなものですね。

※※永代供養墓は通常お寺にあります。供養もそこのお寺の宗旨・宗派にのっとったものになります。ですから、おのずと戒名は必要になるわけですね。
このことからもわかるように、現在の戒名はお墓に入るための「パスポート」のようなものになっております。



戒名に自分の意向を採り入れてほしい


「戒名に自分の意向を採り入れてほしいという人もいる」

※本来の戒名とは、仏教に帰依した際の名前です。仏教の師である、師僧、所属するお寺のお坊さんが決めるものです。
仏弟子になるのに、「戒名に意向」とは、本来は、まことにおかしなことのはずです。

なぜこのような状況にあるかといえば、もはや「戒名」の意味合いが違ってきているからです。
戒名とは、仏弟子の証しとしての名前ではなく、人が亡くなったときに付けられる「供養のための名前」という意味合いが、強くなっているのです。


「希望をそのまま受け入れるケースもあるが、「話をじっくり聞いて、より良い戒名になるよう努めています」」と天台宗系寺院・本寿院の 住職、三浦尊明さんはいっております。

※まぁ、住職としては戒名を自分でつけられてしまったら、収入になりませんものね。

※※住職の三浦尊明さんって、「戒名の会」の人ですね。「戒名の会」とは、戒名を三万円でつけますよ、という会です。

高い、高いと言われている戒名料です。 しかし、その実態は、戒名料というお布施をつのり、お寺の維持・運営をしているお寺がほとんどかと思われます。

お坊さんが、格安の有料で、戒名をばらまくのって、同業の人たちにとっては、後ろから鉄砲を撃たれている気分なのではないでしょうか。
信ずるところがあっての戒名の普及ならば、なぜ「無料で戒名つけますよ」と、言わない、言えないのでしょうか?

天台宗系寺院・本寿院
戒名の会


料金が不透明な戒名


「戒名を巡り、戸惑うことが多いのが、その費用だ」

※まさに、その通りですね。
葬儀費用は、全国平均で約200万円だそうです。そのうちお寺への支払いはの平均額は、50万円です。
50万円の中には、戒名料だけでなく読経料なども含まれます。
お寺への支払いを個別にみると、1万円~189万円までと、かなり開きがあるそうです。

※※50万円は、いわゆる平均値なので、高額な「お布施」が平均値を高めている可能性もあります。
また、アンケートなので、実際よりも多めの額を答えている可能性もあります。

お寺などに収めた費用を「妥当」と答えた人は、全体の4分の1だったそうです。




戒名をつけづに葬儀


「一方、戒名を付けづに葬儀をしてほしいという人もいる」

※「戒名を付けづに葬儀をしてほしい」というのが、どのような理由かは書いてありませんので推測です。
まず、「戒名料=高い」というイメージは、世の中に広く行き渡っております。
ただし、実際は、お寺さんによりまちまちです。お付き合いの度合いでは、タダでも付けているところも多々あるでしょう。
戒名は無料だけれど、院号がつくと、いくばくかのお布施を頂戴する、というところが多い感じです。


「戒名料=高い」。そのことが頭にあるために、戒名をほしいけれど、戒名をほしいといえない人が出てきているのかもしれません。
また、合理的な考えの方が多くなり、葬儀が簡素化しています。 同じようなことが、戒名ならびに宗教式の葬儀の簡素化につながっているのではないでしょうか。


宗教評論家の大角修さんがいうには
「東日本大震災は、『鎮魂』や『供養』を身近なものとして捉える機会になった。 どのような形で送られたいのかを考える人が増えることで、 戒名への向き合い方もさらに多様化していく可能性がある」

※「戒名離れ」は、まさに葬儀における多様化の一面ですね。そして、このような戒名離れは、「葬式仏教離れ」の兆しでもあるといえます。



戒名事情 有識者の声


宗教学者・島田裕巳氏
「実態として、戒名は寺の大きな収入源になっているのに、お布施だとしてきちんと説明しようとしていない。「院号」などで文字数が 増えると金額が高くなるのもおかしい。 戒名不要論は、こうした寺の姿勢に対する不信感から生まれている。」


作家、僧侶・玄侑宗久氏
「親が一生懸命考えて名前を付けるのと同じで、戒名に値段などつけようがないし、「戒名料」という言い方自体おかしい。
「お気持ち」を頂くのだから、お布施なのだ。」


葬送ジャーナリスト・碑文谷創
「いざ葬儀となると立派な戒名を「安く」欲しがるというのは、都合が良すぎるのでは。仏式の葬式を考えているなら 、まずは頼むに足り、相談できる寺を探してみるべきだ。」

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