ガイアの夜明け(5月22日放送) 葬儀・遺影・お墓…"終活"ビジネスの今

素敵な人生の締めくくり方~注目高まる"終活"ビジネスの今~(2012.5.22放送)

概要

人生をより良く締めくくるために、自分の"最期"を具体的にイメージして、葬儀やお墓、相続について生前のうちに決めておく 「終活」が今、盛んになっている。
それをきちんと記しておくエンディングノート作りなども今注目を集めている。 最も人口の多い団塊世代が本格的なリタイアを迎え始めた今、この「終活」をビジネスとして取り組む動きも目立ち始めた。
"最期"の時は誰にでもやってくる・・・。高齢社会ニッポンに広まる「終活」、その最前線を追いかける。

自分の"最期"は自分で決める 「終活」に前向きに向き合う人々

書店で今、コンスタントに売れている本がある。「エンディングノート」。
自分の終末に向けて、遺言や葬儀の仕方、墓などを事前に書き込んでおくものだ。 人生の締めくくりを、今から考える活動、いわゆる「終活」がますます盛んになっている。

お金や不動産など遺産にかかわるものから、自分のお墓や葬儀のやり方まで。 それを指南するイベントも頻繁に開かれている。 中には、樹木葬(森の中・桜の木の下で合葬)の見学ツアーや、生前遺影撮影会(プロのコマーシャルフォトグラファーと メークアップで撮影する)に参加する人も・・・。

また一人暮らしを満喫する女性の"おひとり様"サークルも「終活」に向き合い始めていた。 参加者の人たちは、「最期を決めておくことで、安心して残りの人生を有意義に過ごすことができる」と話す。
人生のエンディングに対しての価値観が、急速に変わりつつあるのだ。

巨大流通が仕掛ける「終活」ビジネスの全貌・・・

4月に東京国際フォーラムで開催された団塊世代向けの展示会。それを仕掛けたのが流通最大手の「イオン」だ。
団塊世代が本格的にリタイアする中、シニア世代を最重要ターゲットに定めるという。 その中でも特に力を入れるのが、相続、遺言、葬式など全てについての相談にのる、ワンストップサービス。 相談にとどまらず、葬儀事業にも本格的に乗り出していた。
巨大流通「イオン」が全社を挙げて仕掛ける"終活ビジネス"。その全貌に迫る。

地域全体で「終活」を考える 日本初「終活」専門サロン

埼玉県蕨市。駅から歩いて5分のところにある、蕨中央商店街。 今年1月17日、その商店街の一角に、日本初の終活専門サロンを謳う「にぎわいサロン えん」がオープンした。
運営するのは、時枝(ときえだ)とも子さん(61)。時枝さんは、このサロンをオープンするにあたり、去年、聞きなれない資格を得た。 それは...終活カウンセラー。
「残された人生を、どうやって生きていけばよいのか?」と悩む高齢者に、様々な助言を行うのが仕事だ。
『死と向き合うことで、今をどう生きるのか?地域の高齢者が終活に取り組めば、地域の活性にもつながる 』時枝さんは終活を通して、そんな地域貢献を考えている。
しかしオープンから数か月たっても、相談客は全く増えないまま・・・。 理想と現実のはざまで揺れる終活専門サロンの試行錯誤を取材した。

感想及びメモ書き

概要

まぁ、ひとことでいえば、当たり障りのない内容です。※当たり障りのある「葬儀」の情報っていうのが、どんなのなのかはわかりませんが…

今までの葬儀・葬祭を否定するでもなく、新たな時代の葬儀の変化を突っ込んで伝えるでもなく、 書店やネットで調べればわかる程度の情報でしたね。
まぁ、テレビとはそういうものなのでしょう。

葬儀関連のものって、元気な生者にスポットを当てると、見るべきものが余計に見えずらくなるような気がするのです。

自分の"最期"は自分で決める 「終活」に前向きに向き合う人々

例えば、冒頭の「生前遺影」
遺影を用意しておくのは、それはそれでよいのでしょう。
でも、そこまで思いがいたるのは、まだまだ元気な人たちでしょう。元気なうち、つまり若いうちの遺影って、ほんとうの意味での 遺影といえるのでしょうか?
というよりも、こんなに写真があふれている今、そもそも遺影は必要なのか?ということを前提に番組を作ってほしかったですね。

「エンディングノート」は、とてもよいものだと思います。
本人に心理的な安心をもたらすとともに、もなによりも遺族は助かりますね。
今までの葬儀の傾向は、ほぼ「葬儀社」任せでした。なぜなら、本人(故人)の意向などわからないのですから、その道のプロに任せるしか 仕方ありません。
しかも「こうした方が、故人さまは、きっとお喜びになられますよ…」というふうに、葬儀社から言われれば、そうせざるをえません。
故人の意向を最低限わかるエンディングノートは、今後とも重宝されることでしょう。

エンディングノートの書き方を教えていたのはこちらです→ライフネット東京

エンディングノートの書き方(終活セミナー)がメインの活動ではなくて、こちらは仲介系の葬儀会社といったところでしょうか。
樹木葬の見学ツアーなるものがありました。

真光寺 樹木葬「森の苑」

旧来のお墓(墓石)の代わりに、木々に囲まれた土地で、自然に還る、というのがコンセプトなのでしょう。
ただこれも元気な人用の考え方だと思うのです。
これからは高齢化も進みます。それに従って、お墓参りも大変になるのです。お墓離れの一因は、お墓参りのわずらわしさや大変さからものです。 ですから、石が樹に変わっただけで、「お墓」というもの、「お墓を持つ」ということの本質には迫っていないと思います。

こちらの墓所は、1区画70万円です。
これはあきらかに、旧来のお墓よりは安いのでしょう。しかし、70万円そのものが安いといえば、 けっして安くはない買い物です。
果たして、そこまでして、遺骨を埋葬する場所が必要なのか?散骨や手元供養ではいけないのか?というように 広げてほしかったです。

また、うがった見方をすれば、お寺さんの荒れ果てた裏山を、樹木葬という名目で整備しているだけ、とも思えてしまいます。
「合同墓」という新しいお墓のかたち
SSSネットワーク

SSSネットワークは、女性の人生を支援するNPO団体で、「共同のお墓(女性のみ)に入れますよ」という運動も活動の1つにしています。
こういうのって女性ならではの発想ですばらしいですね。
費用は年会費+25万円ということで、それほど高くはないです。また、こちらの団体は、おひとりさま女性の老後全般の支援活動を行って いるので、最期の最期まで安心、ということですね。

旧来の家の墓、「家墓」からこういった「合同墓」や「散骨」、「手元供養」という流れなのでしょうね。
参列者5人で、葬儀費用130万円!!
もはや都市伝説の類かと思いきや、いまだにこういうのってあるんですね(汗)

50歳の時から、葬儀のことについて、毎年のように手帳に書き続けているという高齢の男性が出ておりました。
御歳90になり、認知症もということなので、最近は葬儀のノートは書かれていたのかどうかはわかりませんが、 遺族としては故人の望む葬儀を、と考えてはいるものの…
冒頭の、親戚の葬儀が「参列者5人で、葬儀費用130万円!!」だったそうで、故人の希望とお金のバランスを苦慮しているとのことでした。

これって、まさにこれからの主題ですよね。
ちいさな葬儀や家族葬が増えてきたのは、故人が高齢化したせいもあるでしょう。
故人の親類・縁者は身内だけ、友人・知己も亡くなっているか、高齢のため葬儀には出られない…
そういった場合、果たして今まで通りの葬儀に意味はあるのか?

その答えが、ちいさな葬儀や家族葬なのでしょう。これも時代の流れなので、仕方のないことでしょう。

巨大流通が仕掛ける「終活」ビジネスの全貌・・・

「イオンの葬儀」をもっと取り上げてくれるのかと思いきや、そうではなかったのが残念です。
スーパーのイオンが相続などの金融部門でも、お手伝いしますよ、というだけの、なんだか中身のない内容だった気がします。

イオンは葬儀を大々的に宣伝しています。「イオンの葬儀は、イオンの社員がやっているの?」当たり前の疑問点から、えぐってもらいたかったです。

地域全体で「終活」を考える 日本初「終活」専門サロン

最後は、「終活カウンセラー」という方を取り上げていました。
にぎわいサロン えん

葬儀の営業って、ほんとうに難しいですよね。元気なうちから「死」のことを考えているのって、文学者か葬儀屋くらいじゃないのでしょうか。

「終活カウンセラー」一般社団法人 終活カウンセラー協会
※終活カウンセラーは、葬祭業のコンサルタント会社が作った民間資格のようです。

「終活カウンセラー」。この手のもの(といっては失礼ですが)で、はたして仕事になるのかな?というのが第一感でした。
店内には数珠などの小物がありましたので、その売り上げで??と思っておりましたら、バックがいましたね。
近くの葬儀屋さんが、サポート費用として、月に20万円出資しているそうです。
ということは、表向きは「終活カウンセラー」でも、実情は葬儀屋の出先機関ということですね。
最近、群馬でも大きな葬儀社には決まって、「葬儀のこと お客さま無料相談室」みたいものがあります。 いわゆるフロントエンドに近い部署ですね。

※フロントエンド/バックエンドに関しては→金運アップグッズ 本当のからくり

成功例のような感じで、近くの葬儀社のホールに多くの人が集まって、楽しそうに談笑している場面がありました。
みなさま、そちらの葬儀社で葬儀をあげられたそうで、その後も集まっていろいろなことを、話している、とのことでした。

まぁ、こちらもうがった見方をすれば、そのような「みなさまが楽しくおしゃべりできる場」を提供する費用、 それは、みなさま、そして、その葬儀社を利用する他の方の葬儀費に上乗せされているのですけどね。
世の中にタダというものはないですし、たいていは「タダより高いものはない」です。

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