散骨場は墓地 熱海市の見解

静岡県熱海市熱海の山林に民間業者が散骨場の建設を計画している問題で、市は6日、厚生労働省の法律解釈を確かめたうえで「(この散骨場は)墓地埋葬法に抵触する墓地である」と判断し、業者に「経営には市の許可が必要」と通知したことを発表した。

墓地の場合、市条例は民間業者による経営を認めていない。事実上、市が業者に計画の中止を求めたことになる。

現行計画のまま建設が進められれば、市は刑事告発も辞さない構えも示した。業者の社長は報道各社の取材に対して「法に抵触すると言うなら計画を変更する」と語った。

「墓地」と判断した理由を、斉藤栄市長は記者会見で「計画の実態や判例、厚労省の見解などを総合的に検討した結果」と説明した。

市は今月2日に厚労省へ文書を送り、パウダー状にした焼骨を地下に浸透させるという業者の計画内容を記したうえで「焼骨を埋蔵する施設(墓地)と認められる。墓地埋葬法に基づき都道府県知事(市長)の許可が必要ではないか」などと照会していた。これに対して同省からは「具体的事例に関する判断は地方自治体の裁量に委ねられている。地域の実情を踏まえて適切に判断されたい」とする回答があった。

斉藤市長は「散骨すべてを否定するものではない」として、散骨場経営を許可する条件を定めて罰則規定も盛り込んだ条例の整備を急ぐ考えも強調した。

市はこの日、計画に反対する地元の町内会長ら6人に対する経緯の説明会も市役所で開いた。地元町内会長は「まだ計画の中止が決まった訳ではないので不安だ」との声を上げ、約2600人分の反対署名を9日に市長へ提出することを決めた。



熱海市側は

>厚生労働省の法律解釈を確かめたうえで「(この散骨場は)墓地埋葬法に抵触する墓地である」と判断

と述べていますが、

厚労省は

>「具体的事例に関する判断は地方自治体の裁量に委ねられている。地域の実情を踏まえて適切に判断されたい」

となんとも答えていないんですよね。
“散骨”自体は違法ではないから、それ以外のことについては市が決めてくれということです。

厚労省が、「散骨場も墓地になる」という見解を出せば、全国的に墓所以外での地上での散骨は事実上不可能になるところでした。

しかし、上の内容ですと、厚労省としてはノンタッチといった感じです。
ノンタッチなのに

>厚労省の見解などを総合的に検討した結果

さすがお役人言葉がお上手ですね。(厳密に文言を精査すれば間違ってはいませんが)

これからも、大々的に「散骨場」をつくろうとすれば、地域住民と自治体の反発にあって、計画が頓挫することになるでしょうね。

陸上での散骨は、個人が粛々と行う規模のものがせいぜい可能なのでしょう。
本来の散骨の趣旨から言えば、なんらおかしくはありませんが。

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