千葉県内初 公営での樹木葬墓地

県内で初となる公営の樹林墓地が新年度、浦安市に建設される。シンボルツリーとなる樹木の周りに遺骨を埋葬する合葬式のお墓。「後継ぎがいなくても入れるお墓が欲しい」といった市民の要望を受け、開設を決めた。

 樹林墓地は、同市日の出の墓地公園内に建設される。同市みどり公園課によると、約450平方メートルの半円状のスペースに盛り土を行い、海風に強い複数の種類の樹木を植え、その周囲に深さ1・5~2メートルの縦穴を16か所設ける。絹製の袋に包んだ遺骨をこの縦穴に埋葬する。約5000人分の遺骨が埋葬可能。半円状の土留めの外側に3か所の焼香台(献花台)を設け、お墓参りに来た人はこの場所からお参りをする。

 新年度予算に8200万円の整備費を盛り込んでおり、2014年度中に開設し、募集を始める。使用料は未定だが、同公園内の芝生墓地(30年間で45万円)よりも大幅に安く設定できそうだという。

 樹林墓地は、樹木葬墓地などとも呼ばれ、この20年ほどの間に寺院墓地や民間霊園で開設されてきた。遺骨を埋葬した場所に、墓石の代わりに一人一人の樹木を植える形で始まったが、最近ではシンボルとなる樹木の周囲に合葬する形が増えている。

 スペースの限られた墓地でも、たくさんの遺骨を合葬できるメリットがあり、霊園を運営する自治体からも注目されている。公営霊園としては2006年に横浜市営墓地に全国で初めて登場。12年には東京都立小平霊園で開設された。小平霊園の樹林墓地を参考にしたという浦安市の墓地は3番目の事例となる。

 同課の担当者は「お墓の後継ぎに悩んでいる人や、自然に返りたいと望む人のニーズに応えることにした。公園内に、もう1基開設することも検討している」と話している。

(2014年3月23日  読売新聞)

県内初の公営樹林墓地 より

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