なぜ遺体を北枕に寝かせるのですか?


Q なぜ遺体を北枕に寝かせるのですか? 


BA(ベストアンサー) お釈迦様が頭を北にして亡くなられたと伝えられているからです。


A1 遺体を‥というよりも、お釈迦様がご病気でふせっていたときにされていた体位ですね。
頭北面西右脇。

心臓を下にしないことで身体に余計な負担をかけない状態です。当時のインドで、身体の楽になるような寝方が北枕ということです。

地球全体を大きな磁石と考えたときに、頭を北に足を南にむけることで血行がよくなると考えられていたという説もあります。
西にはガンジス河の先に浄土があると考えられていましたので、西方浄土を遠くのぞんでおられたという説もあります。
諸説ありますが、そのお釈迦様の姿を真似て北枕にしています。
ちなみに、座禅を行うときの結跏趺坐も、お釈迦様が修行をして悟りをひらかれたときの姿を真似しています。

以前は自宅で亡くなることが多かったので、病気の進行や老いが進んだときに、上段の間(最も格式があり、快適な部屋)である仏間で頭北面西右脇の楽な姿勢をとらせて最期を看取りました。

なお、従来の住宅ではお仏壇が家の中の西に置かれ、それから下の間(東方向へ)が造られていましたので、お仏壇の前に遺体を安置した場合に自然と北枕になるようになっていました。
現代ではいろいろな家のつくりになっていますので、本当の方角がどうあれ、お仏壇のあるほうを西方と見立てて安置されます。


A2 北インドのクシナガラという町で、80歳になったお釈迦様が入滅(死亡)なさった時、沙羅双樹(二本の沙羅の木)の間に頭を北にし、右脇腹を下にし、両足を重ねて、横になったと「涅槃経」というお経に述べてあります。
したがって経典の通りだとすると、頭は北に足は南に、顔は西を向いているわけで、このことからお釈迦様の入滅の姿を「頭北面西」というのです。

中国や日本で死者を北枕にする習慣はこのことに由来します。

ではなぜお釈迦様は入滅の時、頭を北にしたのかについては、インドの古代の経典や文献をひも解いてもわからないのが定説です。

しかしお釈迦様が亡くなって日本に仏教が伝わってきた頃(西暦5世紀の頃)には、仏教はインドより北へ向かって伝わるのだという後からのこじつけのような気もしますが、事実日本に伝わってきた仏教は「北伝仏教」(大乗仏教ともいう)という仏教で、そのことからお釈迦様は北を頭にして亡くなられたのだという説があります。

ただ宗旨・宗派によっては必ず北枕でなければいけないということではなく、なるべく北枕がいいが、建物のあるいは遺体をご安置する部屋の状況によっては、方角は問いません。
例えばおご家庭の仏壇の前にご遺体を納めた棺を置く場合に、お仏壇に平行しておく時に、どちらかが頭が北になればいいのですが、どうしても東西に向く場合もあるでしょう、そのような場合にはあまりこだわる必要はないということです。


A3 印度では、北が上座で南が下座です。
日本へ渡って来ても同じ理論で、北を上座として南を下座としています。

天帝は南面する(上位の者は北に居て南に向かう)、北面の武士(下位の者は南に居て北へ向ける)、指南する(教える立場の者は、北の上座に居て南の人へ指導する)、などの言葉からも理解出来ますし寺院で北へ向く社殿など一か所も有りません。

頭を上座にして足を下座の南に置いたのです。
釈尊は日常の生活の中で実践しておられて臨終を迎えられました。


ヤフー知恵袋 なぜ遺体を北枕に寝かせるのですか? より

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