僧侶派遣ビジネス ボロ儲けの手口


お布施5億円隠しでわかった

首都圏を中心とする「僧侶派遣会社」と「葬儀会社10社」が、国税局から総額約5億円の所得隠しを指摘された。
昨年までの7年間で5億円というのだから、なかなかの額だ。
高齢社会の中で、いま「僧侶派遣ビジネス」が急拡大している。

「これは僧侶、派遣会社、葬儀会社の3者がトクをするシステムです。葬儀会社は遺族に『故人は友人が多いので、きちんとした葬儀をされた方がいいですよ。ウチには信頼できる僧侶がいます』とさりげなく僧侶をアピールする。遺族は『そこまで言うなら』と信頼し、葬儀費用とは別に僧侶にお布施を払う。僧侶は自分の取り分を抜き、残りを派遣会社と葬儀会社にリベートとして渡す仕組みです。お布施の相場は30万~50万円。だいたい3者で均等に分けるので、かなりの収入です。今回、派遣会社と葬儀会社は、リベートを“裏金”にしていたとして国税局に指摘された。僧侶の方も、最近、檀家(だんか)不足で収入が減っているので、貴重な小遣いになっています」(業界事情通)

 僧侶へのお布施が山分けされているとなると、遺族の気持ちは複雑だ。しかも派遣される僧侶は、ひどいのが多いという。

「僧侶はもうかるというウワサが広まっているのか、無職だった人が通信講座で僧籍を得たり、寺に所属しない『マンション坊さん』も増えています。お経も2種類しか知らないのに、涼しい顔をして『全ての宗派の葬儀をこなせる』とアピールする。派遣会社も怪しいと思いながらも、多めにキックバックしてくれるので、ついつい依頼してしまう。こうした僧侶は外見ではわからないので、遺族はどんな人物なのか、どこの寺院に僧籍があるのか、しっかりと葬儀会社に聞き、怪しいと思ったら代えるべきです」(日本葬祭アカデミー教務研究室・二村祐輔代表)

 国民生活センターによると葬儀に関する苦情や相談は、2009年度は545件、昨年度は670件と急増している。「なんちゃって僧侶」には要注意だ。


日刊ゲンダイ 僧侶派遣ビジネス ボロ儲けの手口 より

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